北海道には美味しいものがたくさんありますが、夏限定の大人気の果物といえば「赤肉メロン」ですよね。
中でも夕張メロンはとても有名で、毎年初競では破格の値段で取引されることで知られており、その落札価格にも注目が集まります。
2023年5月25日に札幌中央卸売市場で行われた初競では、なんと!秀品が2玉350万円の値がつきました!!
夕張メロンは、北海道の夕張市でしか栽培されない門外不出のブランドメロン。他の地域で作られているメロンは夕張メロンとは違う品種です。
それならせっかくだから夕張メロンが食べたいな…。と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください!北海道には夕張メロン以外にも美味しいメロンがたくさんあるんですよ。
夕張メロンは芳醇な香りと、熟すと柔らかくなる果実が特徴で、糖度は「特秀」が13度以上、「優」が11度以上、「秀」が10度以上とされています。
一方、蘭越町の三浦農園で栽培されている「みうらメロン」はティアラという品種で、優しいメロンの香りと、熟しても歯ごたえがある果肉が特徴です。さらに、糖度は15度~18度と夕張メロンより高く、実も皮ギリギリまでぎっしり詰まっています。そして、しっかり甘いのに後味がスッキリしてしつこくないのが最大の魅力です。
夕張メロンより甘い?!「みうらメロン」誕生秘話
北海道南西部にある蘭越町の三浦農園は、元々田んぼを中心とした農家でした。しかし、昭和62年お米の生産量抑制のために実施された「減反政策」の一環で、農協よりメロンへの転作を提案されました。
そして、三浦農園のある名駒地区の9軒の農家さんがメロン栽培を開始。現在の「らんこしメロン」発祥の地となりました。
最初のは「失敗ばかりでとにかく大変だった。」と話す三浦農園のご夫婦。最初の数年は農協を通して販売していましたが、札幌卸売市場の人から良品だと認められるようになり、札幌卸売市場の上層部の人もわざわざ三浦農園のメロンを見に蘭越町まで出向くほど、口コミで高評価が広がっていきました。
また、札幌観光で有名な二条市場の出展者も、三浦農園のメロンが特に良い品だと知り、仕入れの際に三浦農園のメロンだとわかると全て買い取ったという話があるほどです。
その後、農協に卸さず、自分たちで販売しようと決意したご夫婦。他の農家との差別を図るため、3年の年月をかけてエコファーマー注1の認定を受けました。
その後も、自分たちで販売するなら「もっと良いものを出さなければいけない。」その想いと責任感を持ちながら今年もメロンの栽培に力を注いでいます。
注1エコファーマーとは、「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成11年7月28日法律第110号)」(以下、「持続農業法」という。)に基づき、都道府県知事が認定した農業者(認定農業者)の愛称です。
北海道メロンができるまで
種まき〜摘心〜摘果
北海道のメロン栽培は、畑にまだ雪が残る3月から始まります。メロンの種子を専用の容器に撒き、自宅やビニールハウスの中で育てます。その後、畑の準備ができたら苗をハウスの中に定植していきます。
その後、ショベルカーなどで雪をわりながら雪解けを促し、畑の準備をしていきます。骨組みだけだったビニールハウスにビニールをかけ、畝の準備ができたら苗をハウスの中に植えていきます。
定植した後は、摘芯(芯と呼ばれる芽の先端部分を摘み取り、成長を促す作業)をしながら育ちの良い蔓を伸ばしていきます。黄色い花が咲く頃には、ミツバチを巣ごと業者からレンタルし、ミツバチに受粉のお手伝いをしてもらいます。
無事に受粉すると着果して、メロンの赤ちゃんが誕生します。
放っておけば一つの鶴に受粉しただけのメロンの実ができますが、それでは栄養が分散してしまって美味しいメロンが育ちません。
そのため、摘果といって、生育が遅かったり形の悪いメロンを手作業で摘みとる作業が欠かせません。三浦農園では、一株につき2〜3玉のメロンを残しして栽培していきます。
ちなみにこの摘んでしまった摘果メロン。お漬物にして食べるととても美味しいんですよ。
漬け方は、浅漬け、糠漬け、塩麹漬け、キムチ漬け、酢漬けなど、お好みの付け方で大丈夫!歯ごたえがある甘いきゅうりのような風味で、とても美味しさです。
この摘果メロン。6月上旬から中旬にメロンの産地に行くと道の駅などで販売されていることがありますが、一般的に市場に出回ることはほぼありません。
もし、どこかで見かけることがあれば購入して、漬物を作ってみてくださいね。
綺麗な編み目模様ができるまで
メロンといえば、表面にあるひび割れ模様を思い浮かべます。あのひび割れは、最初からできているのではないんです。表面の皮より成長の早い、中の果実の部分が外側に圧をかけ、皮にヒビが入ることで生まれます。そしてそのひびがコルク状に発達して綺麗な編み目模様になっていきます。
つまり、見た目が均一で綺麗な編み目は、果実がムラなく均等に大きくなろうとしている証です。この綺麗な編み目を生み出すために、農家産のさまざまな努力と工夫が施されていて、まさに農家さんの腕の見せどころなんです。
たとえば、果実が大きくなるには水分が必要です。ただこの水分もただあげれば良いのではなく、知識いや経験はもちろん、長年に渡り培われた勘が必要です。
単純に水をあげればすぐに大きくなるメロン。三浦さんも「早く大きくなって欲しい。」その気持ちを押し殺しながら絶妙なタイミングで絶妙な水分管理と温度管理をしているのだそう。
また、人間がずっと同じ向き寝ていると床ずれができてしまうように、メロンの実も位置をずらしてあげないと跡がついてしまいます。
さらに、なるべく設置面が少なくなるように、メロンの下に緩衝材を敷いて設置面を少なくしたり、日当たりを考えながらメロンの向きを変えていく工夫もしています。
つまり、綺麗な編み目模様は農家産の栽培技術と努力の結晶だということがわかります。
メロンの赤ちゃんが誕生して約50日。ビニールハウスの中で大切に育てられ、成長するメロン。実の近くのはが黄色く枯れると収穫のサインです。
7月中旬になるといよいよ収穫が始まります。収穫・選別・箱詰めまで全て丁寧に手作業で行われます。箱詰めされたメロンは、8月中旬まで全国各地に向けて出荷されています。
北海道メロン、食べ頃の見分け方
春先から手間暇をかけて大切に育てられた北海道メロン。せっかくだからベストタイミングで美味しくいただきたいですよね。
メロンの食べ頃の見分け方は、メロンのお尻を押して柔らかくなってから…という話もありますが、お尻が柔らかくなるのを待っているうちに熟しすぎてしまうこともあるんです。
そこで、おすすめの見分け方はツルを見る方法です。みうらメロンはツルつきの状態でただ、スーパーなどで購入すると、すでに蔓が切られていてない場合があります。その時は、ツルのあった根元を見てください。
みうらメロンの場合、実の上にT字型のツルをつけた状態で出荷しています。実はこのツルも美味しいメロンを見極めるために大切な要素。左右均等なツルがついているメロンは栄養が満遍なく行き届いているという証拠なんです。
青果店を見ても高級メロンはツルつきで販売されていることが多いので、ツルの状態にも注目してみてくださいね。
収穫と出荷直後のツルは青々として太い状態を保っていますが、室温(20~25度)で置いておくとますぐだったツルはねじれながら黄色く変色していきます。そして、そのツルが枯れたように見える状態が食べ頃のサインです。
ツルがない場合は、ツルがあった根元の色をチェックしてくださいね。最初は緑色で段々と黄色く変化していきますよ。
みうらメロンのように産地直送のメロンの場合、到着後早ければ4〜5日、平均すると1週間ほどで食べ頃を迎えます。到着したらすぐに食べたくなりますが、追熟することで実が柔らかく食べやすくなるので、焦らず追熟するのを待ちましょう。
完熟したメロンは常温のままでも美味しく食べられますが、暑い夏は少し冷やしてから食べたくなりますよね。その場合、追熟したメロンを食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れてください。
また、追熟途中のメロンを冷蔵庫に入れてしまうと追熟が止まってしまい、その後常温に戻しても追熟しなくなってしまうので注意してください。そのため、メロンを冷蔵庫に入れる際は食べるタイミングや追熟具合をしっかり確認しましょう。
まとめ
お中元やお見舞いに選ばれたり、高級品のイメージがあるメロン。だからこそ、選ぶときも食べるタイミングも失敗したくないですよね。そのために以下のことを注意してください。
夏にしか味わうことができない北海道メロン。自分のご褒美としてはもちろん、大切な方への贈答用にも最適です。夏の味覚を味わいながら、暑い夏を乗り切っていきましょう。
北海道蘭越産の三浦メロンのは毎年7月中旬から8月上旬に収穫・出荷しています。今年も収穫が始まり次第順次発送いたします。販売サイトはこちらから。お米とのお得なセットもメルカリShopsで販売しています。